人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

地下鉄風

aikiki.exblog.jp

黄泉がえりを見る。そして梶尾真治について考える。

黄泉がえりを見る。そして梶尾真治について考える。_a0002447_1117.jpg
 今頃になってようやく「黄泉がえり」を見る。あれ?思ったよりも良い。なかなか良い映画だと思う。歌があるぶん原作より良いのではないかと思った。

 さて、一般には「黄泉がえり」の原作者としてしか知られない梶尾真治は私の偏愛する作家である。最初に読んだのが超傑作短編「時尼に関する覚え書」である。しびれた。以来13年経つが時尼を超える短編には出会えない。生涯最高の短編になる可能性も大である。

 時尼には及ばないにせよ、梶尾真治には叙情性あふれる泣かせる傑作短編がゴロゴロある。切れのあるアイデアスト-リーもある。ギャグが走る短編もある。短編作家としては申し分ない。SFというレーベルに隠れていなければとっくにブレイクしてしかるべき作家だと確信している。

 しかし、長編にはあたりはずれがある。「サラマンダー殲滅」と「ドグママグロ」は傑作と言ってよいが、それ以外はファンとしてもあまり褒める気になれない。どうも短編と比べるとぬるい。冗長で退屈してしまう。
 
 「黄泉がえり」についても原作を読んだ時にイマイチだと思った。まさかこれが映画化してそこそこヒットするなんて想像もしていなかった。

 しかし、今考えるとこれで正解のような気もする。分かりやすい単純なストーリーの方が映画には向いているだろう。「OKAGE」よりは「黄泉がえり」の方が面白いし、「サラマンダー殲滅」なんてハリウッドで気合入れて作るか、アニメかCGでないと不可能だろう。小説と映画はやっぱり別物である。

 ふと思ったが、「黄泉がえり」って大林監督の「あした」に似てる。大林監督は「おもいでエマノン(旧版)」のあとがきを書いた人だ。「あした」の原作は赤川次郎の短編。赤川次郎のファンを梶尾真治に誘導すれば…。無理かなぁ。

 
by aikiki2001 | 2004-04-18 01:02 | ほん | Trackback | Comments(2)
Commented by Canbe at 2004-04-19 00:22 x
どうでした、黄泉がえり。
走り方、おかしいッスよねえ!
Commented by aikiki2001 at 2004-04-19 08:54
うーん。おかしいといえばおかしいかなぁ?蹴り足が内側でバランスが悪そう。あまり良い走り方では無いと思う。しかし、重いものを片手に持っていたらどうなるか?あの箱は実際に重いのかどうか?という点が分からないので、クサナギツヨシの走り方がおかしいのかどうかについては意見を保留したい。

髪型は明らかにおかしいと思う。誰も真似しない。真似出来ない。
<< みちわからん 渋いキャスティング >>